【ビオチン/ビタミンB7(H)】アトピー性皮膚炎を抑制する

ビオチン/ビタミンB7(H) の働き

ビオチン/ビタミンB7(H)の働きは水溶性ビタミンに分類され、アレルギー症状を緩和させる作用があります。また炭水化物(糖質)がエネルギーに変わった後に作られる乳酸を再び糖に変換する作用もあります。

アトピー性皮膚炎を抑制する

ビオチン/ビタミンB7(H)は糖のリサイクルを行っています。炭水化物(糖質)が分解されブドウ糖は、身体を動かすエネルギーに変わります。エネルギーとして働いたブドウ糖は乳酸に変わり、肝臓に運ばれます。乳酸は筋肉痛や疲労の原因となります。この乳酸をブドウ糖へと再び変換するときの補酵素としてビオチン/ビタミンB7(H)は働きます。肝臓でブドウ糖へと再利用される働きを「糖新生」と呼びます。

乳酸のリサイクル

ビオチン/ビタミンB7(H)はアレルギー症状を緩和させる作用があります。表皮の奥にある真皮と呼ばれる細胞層にヒスタミンを蓄えている細胞(活性化マスト細胞と呼ばれている)があります。ダニ、ハウスダスト、花粉などが活性化マスト細胞を刺激することで、皮膚の炎症やかゆみの原因となるヒスタミンが放出されます。

ヒスタミンは必須アミノ酸の1つであるヒスチジンから生成されます。ビオチンは過剰に存在するヒスチジンの排出を促すことで、間接的にアレルギー性皮膚炎を抑制する働きがあるといわれています。これまでにアトピー性皮膚炎の乳児にビオチンを投与したところ、症状が改善する場合があるといった報告も確認された。

必要量と含有量

ビオチン/ビタミンB7(H)の1日の必要量は、成人男性女性ともに50μgとされています。現在の摂取量は成人男性女性ともに45.1μg前後と必要量より、わずかに不足していますが、不足症状を引き起こすほどではありません。

ただしアメリカの小児科学会では、腸内細菌が活発でない乳児のビオチン欠乏が指摘されており、食品添加剤として粉ミルク中にビオチン/ビタミンB7(H)を入れ、推奨量を1日あたり10~15μgとしていてます。日本での食品添加剤としての利用は認められておらず、赤ちゃんのアレルギー性皮膚炎が多いと考えられる理由の1つになっています。

 食品食品100gあたりのビオチン/ビタミンB7(H)の量
魚介類さんま9.0μg
サバ8.0μg
たこ(茹で)6.0μg
肉類鶏もも肉6.0μg
豚ロース5.0μg
牛ヒレ肉4.0μg
野菜オクラ、人参(生)6.0μg
ミニトマト4.0μg
ホウレン草(茹で)3.0μg
その他ピーナッツ96.0μg
生卵65.0μg
ゆで卵25.0μg

不足すると

ビオチン/ビタミンB7(H)は穀類や肉類など多くの食品に広く含まれ、また腸内細菌によっても合成されるため、一般的に欠乏症には陥りません。ただし1日あたり5~6個の生卵摂取すると、ビオチン/ビタミンB7(H)の吸収阻害および腸内での合成阻害が発生し、欠乏症を引き起こします。不足すると、アレルギー性皮膚炎、糖尿病、リウマチ、食欲不振、むかつき、吐き気、憂鬱感、顔面蒼白、性感異常、前胸部の痛みなどが起こります。

  • アレルギー性皮膚炎
  • 糖尿病

過剰になると

ビオチン/ビタミンB7(H)を1日当たり200mgを経口投与し続けたが、健康障害などの報告は確認されなかったとされている。通常の食事からの摂取では過剰症の心配は不要でしょう。

併用すると良い栄養素

ビタミンB群はそれぞれ助け合いながら作用するので、ビタミンB1、B2、B6をバランスよく摂取することで、相乗効果が期待できます。

ビタミンB7の吸収阻害因子

ビオチン/ビタミンB7(H)は卵の黄身にも多く含まれますが、白身に含まれている「アビジン」という成分と一緒に摂ると吸収が阻害されてしまいます(卵換算で5~6個に相当)。透明な白身が半透明にいなるまで加熱することでビオチンとの結合を抑制することができ、吸収阻害を抑えることができます。また飲酒と喫煙により体内での合成量が減少し、不足することがあります。

  • 生卵
  • アルコール
  • 喫煙
参考

厚生労働省、「統合医療」情報発信サイト

国立健康・栄養研究所

厚生労働省、「平成28年国民健康・栄養調査報告」

「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書

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